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カルロリーバ(CARLO RIVA)の生地を長く取り扱っているシャツ生地卸のヤナセさんの
社長と一緒に仕事をされている息子の満さんにカルロリーバについて、
また生地卸の仕事などについてお伺いしました。

【カルロリーバについて】

—カルロリーバを取り扱い始めてどのくらいですか?

社長 (以下:社):日本にはもっと前からカルロリーバが入っていたのですが
うちでの取り扱いは15年くらいです。
カルロリーバって言っても昔のカルロリーバとはちょっと違うんです。
創業者一族が商売を辞めてしまったんです。
織機は本当にいいものだったので、
オットーマンテロさんが織機と商権を買い取ったんです。
本来はネクタイ屋さんだったんですけど。

満:でも織機の半分はオルトリーナに行ったんです。

社:そうそう。オルトリーナもいいものを作ってました。
90cm幅でね。180双とかね。
ヨーロッパの生地屋はね、結構くっついたり離れたりが多いんです。

—カルロリーバの生地は、どういったところがよいのでしょうか?

社:カルロリーバに変なものは一切ないんです。
例えば何ですけど、イタリアの大きなメーカーで見ると
生地にピンからキリまでがあるんですよ。
だけどカルロリーバは最高の物しかないんです。
それと何しろ小ロットなんです。
だから買う方も値段関係なしで買っているんじゃないかな。
少量だからかなり高くなると思うんです。
一番いいものを求めているんだから。2番目3番目はないんです。
とにかく最高のもの。

—最高のものとは何を持っていえるのでしょうか?

社:やっぱり綿だったら原綿がいい事が絶対条件です。
あとは番手が細ければいいってものでもなくって着た感じですね。
カルロリーバの作り方って織機がゆっくり動くので綿に対しては優しいんです。
それの何倍ものスピードで作ったら
紙みたいになっちゃうものもありますから。
リシオ、ポプリン、スーパーリーバ、綿麻
これもう全部いいです。どれをとっても。

—リシオ、ポプリン、スーパーリーバについて教えてください。

社:リシオっていうのはボイルローンといって薄いんです。
だから夏向きです。
スーパーリーバというのは細かいツイルで
ポプリンは平織りです。
リシオツイルとはボイルローンだけどツイルで織っている生地です。

—今見せていただいているように少しずつ取ってあるんですね。

社:はい。うちの商売ってお客様に生地を買っていただいて
シャツを作ったあと襟やカフス交換の依頼があったときに
生地を出せるようにとって置くんです。
とくにカルロリーバは。
シャツ屋さんもあまり値段のことを云うお客様には
おすすめしないんじゃないかな?
だからこの箱に入っているハギレは宝物なんです 笑
ずっと捨てないし、取ってある。
それを少しずつ御社にお出ししています。

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—知っている方はもちろん、そうでないひとにカルロリーバは
確かにいい生地だということを伝えて行きたいと思っています。

社:カルロリーバで作ったシャツは5万円以下はないかもしれません。
綿なんですけどまるでシルクのようなんです。
着た感じはシルクよりいいくらいです。
シルクは汗に弱いとかありますからね。やっぱりシャツには綿です。
弾力が合って光沢があるとかね。
矛盾するようですが「シルクのような」って言うんです。

—ありがとうございました。
次回はヤナセさんに生地卸の仕事について伺っています。


株式会社ヤナセ
上野不忍池近くの、シャツ生地卸業を営む会社。
高級番手を中心に国産はもちろん世界中から上質な生地を取り揃えています。
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