ハンカチ百科 コラムNo.1 整体にいく際のハンカチの選び方

5年ぶりくらいに近所の整体に行ったときのこと。

施術にはいるところ「ハンカチはご用意されましたか?」と聞かれて、
唐突で最初意味が分からなかったのだが、
私はもちろんいつだってもってますともと思って、差し出した。

どうもそこの整体では、施術台にうつぶせに寝る際に
顔にあたる部分にマイハンカチを敷くのが一般になっているようだった。

何も知らずに行って、ハンカチをもっていないと少し恥ずかしい気がして、
体面は保てたけど、ない場合は用意してくれるのだろうか。
いずれにして、持っていたハンカチを何気なしに渡したところと、
それはDonny Grafiks氏のマンドリルのハンカチだった。


▲ Donny Grafiksによる マンドリルハンカチ。

広げてくれた先生もちょっと驚いたような表情を一瞬浮かべて、
それでもすぐさま顔を平静にとりつくろい、どうぞといわれ、
私も素知らぬ顔をして、そこに顔をうずめた。
そうとはいえ施術中もどうもマンドリルとキスをしている気がして、
気持ちが落ち着かず、結構洗いこんで柔らかくなった肌触りの良さが
絵柄と対比して、なお気色悪い。

先生に悪いが果たして整体の効果はあったのかわからない。
TPOに合わせてハンカチ選びは欠かせないが、
ちょっと気軽に近所の整体にいくといっても気は抜けない。
そんなことを感じた一日でした。

[後日談]
急に時間が空いてまた同じ整体によったときは、
特に何もいわれず、お店があらかじめ用意していた
ガーゼのハンカチを敷いてくれた。
今日もうっかりbanryokuさんのHANDkerchiefで柄はシンプルだが、
頭の先から手がでてみえるのも微妙だなと思っていたので内心ほっとした。


▲ banryoku HANDkerchief

いずれにしても、大人のハンカチ検査を受けるようで、
いつ何時もうかうかしていられない。

お別れを告げる

檀ふみが初めて父である檀一雄の住む能古島を、父のニューヨークの知人と訪れた後、島を出るシーン。
最期の別れを象徴する使われ方。

『緑の丘にポツンと赤い屋根の父の家は、海の上からでもよく見える。
「ほら、あそこ」と、ネピアさんと指を指して確かめあっていたら、家のかたわらで、両親がハンカチを振っているのに気がついた。人影はみるみる小さくなっていったが、白いハンカチはだけは、いつまでもゆらゆらと輝いている。
ネピアさんが、涙に目をしばたたかせていた。私まで、じわりと胸が熱くなってきた。

それから間もなくして、父は福岡の病院に入院し、そのまま帰らぬ人となった。』
檀ふみ 『父の縁側、私の書斎』

檀一雄は著作でもたびたびハンカチが登場するが、自身の生活の中で使用していたのがわかる。
白いハンカチというのが何とも印象深い。

小鳥の捕まえ方

ハンカチがたびたび出てくる作家がいる。
日常的に自身でも使用していたのだろう。
使い方が粋だなと感じるシーン。

「小鳥に相違ない。切り落としの短い鉛管の中に歩みこんでしまったのであろう。私の胸は騒ぎ立つのである。
急いでジャンパーをぬぎ取り、それを鉛管のあちら側にそっとかぶせて、こちらの端っこをハンケチで蔽う。造作はなかった。そのハンケチの隙間から、彼女の柔い羽毛が、私の手の中にコトコトとすべり込んでくるのである。」 檀一雄『火宅の人』

 

カテゴリー

最近の投稿

アーカイブ

検索