フィードサック(feedsack)とは、アメリカで穀物・種・食べ物・飼料などをいれるのにつかわれていた袋のこと。特に1930年代~50年代には華やかなプリントがなされ、人気を博す。H TOKYOではその時代のヴィンテージの生地を扱いハンカチにしています。
そのフィードサックにまつわるストーリーをご紹介します。
先回の続き19世紀半ばから1920年代まで。
19世紀半ばに開発されたミシンによってフィードサックは商業的に使用可能なものになり、19世紀後半には大量生産化されました。当初は家庭では空になった袋をもっていって、小麦粉や飼料などをつめてもらっていましたが、生産者にとって前もって袋つめしてある方が簡易なため、袋つめで販売するようになりました。1920年代まで綿は生地の中心でしたが、レーヨンなどの合成繊維が台頭すると、綿の価格は下落し、むしろ生産者はより綿の袋で供給しやすくなったのです。
そうして空になったフィードサックは、代わりに家庭でタオルやリネン、洋服、下着などにつかわれるようになったのです。
当初フィードサックは、漂白されてなく、会社の宣伝がプリントされた状態で販売されていました。主婦達は洋服やリネン類に使えるよう苦心しながらプリントを洗剤で落としました。それでも肌着としてつかうにはそこまでする必要もないと考える人もいて、おもしろい話が残っています。
ある女性が、婚約者と道を歩いていて、すべって転んでしまいました。婚約者は、フィアンセの下着に「SOUTHERN BEST!(南部で一番!)」と書かれているのを発見した…
すいません…アメリカンジョークなので。
1920年代にある新興の生産者があるアイディアを思いつきました。袋をもっとデザインしてかわいくすれば、農家の奥さんにもっと売れるのではないか?
(続く →フィードサックストーリー(3))