そんな風にしてシャツをつくったり、扱ったりしていると自分のシャツがより一層大事になってくる。
それで着られなくなったシャツが何か捨てるにしのびない。形が気にいっているので、今度つくるときまでとっておこうとか、なんだかんだ理由をつけておいておく。それでむやみとシャツがたまってくる。
袖や襟が傷んだ場合は、同じ生地をもっていればつくれる。クレリックでよければ付け替えは可能だが、いつもクレリックというわけにもいかない。カジュアルなシャツなら汚れなどは染め替えもできるがビジネスシャツだとそうもいかない。
クローゼットを開けると着ないシャツが1/3位占めている。
それを毎回みていて、ふと自分はハンカチ屋だったことに思い至る。灯台もと暗しとはこのことで、答えは意外に身近なところにあった。
それでも実行に移すには、作り手の了解が必要。面倒だからと断られるかと、工場まで伺い、想いを説明し、おそるおそる尋ねると社長の方は前向きにやっていただけることを了解してくれた。そのときに工場にいた縫い子さんがこの前ちょうどシャツを捨ててしまったわよ!と残念そうにいっていたのが印象的でした。
そんなこんなで始まるシャツカチ、初めてのことでいろいろあると思いますが、お客様もこれに関わってくれるみなさまも、どうぞよろしくお願いします。