アイロンをかけなくても、ごまかせるようにするにはどうしたら良いかを考えてみます。ハンカチの選び方や、洗濯方法についてもご案内します。

家事の中で最も苦手なものに、アイロンがけを挙げる人も多いそうです。
アイロン台を取り出し設置し、アイロンを電源につなぎ、十分な熱を帯びるまで一呼吸待ち、重量のあるアイロンを持ち上げ、対象にアイロンを圧し当てていく。
夏には部屋の蒸し暑さがいっそう増します。

こういった一連の流れや環境が、心理的・肉体的な負担の大きい重労働と感じさせるのでしょうか。

百貨店のハンカチ売り場もそうした世情を反映してか、年々布地のハンカチ売場を縮小し、タオルがその専有面積を広げています。

特にハンカチは、ワイシャツのように気軽にクリーニングに出すことは考えにくいため、アイロンをかけるか、かけないで済ますかが大きな選択肢になってきます。

人目に触れぬことが多いハンカチも、ふとした時に目についてしまうこともあると言うことを忘れてはいけません。
そうしたときに折り目正しくアイロンがかけられたハンカチか、しわしわのよれたハンカチかで見る人の心証が大きく異なるでしょう。

そうとはいえ現代の忙しいわたくしたちが、すべてを理想通りに行うことはたやすくない。
できるだけ、アイロンなしで済ませるにはどうしたらよいでしょうか。

まず、ハンカチの選び方について。
素材でいえば、麻は吸水速乾性に優れるが、シワがつきやすいものです。
綿100%を選んだ方がよいでしょう。

最近は天然生の綿100%で形態安定などシワがつきにくい加工をうたったものもあります。
そういったものを選ぶのも目安です。

形態安定の基準にはW&W性(ウォッシュ&ウエア性)試験が使われます。
洗濯を5回し、タンブル乾燥をかけた後のシワの残り具合で判定します。
W&W性5.0級をアイロンがけ後のシワのない状態とし、これをシワカット率100%としています。
形態安定加工といわれるものは、3.2級以上でシワカット率50%以上です。
なお4.0級以上は、シワカット率90%以上となります。

下記画像は4級 (90%以上の結果)のもの。

▲左:アイロンをかけたもの。 右:洗濯を5回し、タンブル乾燥をかけたあとのもの。

形態安定でなくても、シワがつきにくいハンカチの見抜きかたとしては、糸がしっかり入って詰まっているかどうか。
経糸と緯糸の打ち込み本数が多いほどシワになりにくいと思います。
生地がすかすかしていないか、軽すぎず、にぎってハンカチにコシがあるかが判断基準になります。

もう一つ別の方向性としては、ダブルガーゼを選ぶという選択肢もあります。
目の粗いガーゼ生地が2枚重なったもので、ハンカチとタオルの中間に位置するような存在で、アイロンがかかっていなくてもタオルっぽいのでそれほど違和感がないということです。
ただしどうしてもカジュアルに寄ってしまい、ポケットにしまうとそれなりにボリューム感が出てしまうことに留意しましょう。

次に、シワを防ぐための洗濯の際の注意点です。
洗濯機の中には、絡みやすいものを一緒にいれないように注意し、可能であればネットに入れましょう。
乾燥機を使えるならば、乾燥機を使った方が吊り干しよりシワがつきにくいようです。
吊り干しの場合は一度ハンカチを上下にふって、さらに形を整えてから干しましょう。


▲4つの条件でそれぞれ洗濯したもの。

洗濯実験からも、ネットに入れたものの方がしわは少なく、乾燥機までかけるとより、しわは気になりにくくなることがわかります。

最後にしまうときは、上下左右に引っぱり形を整えながら、手の温もりでシワを伸ばしながら畳んでいきましょう。

いかがでしたでしょうか。

アイロンがけをせずにごまかす方法を紹介してきましたが、やはりアイロンがかかったハンカチは美しいものです。
ここまで紹介したことと、正攻法でアイロンがけすることを、上手に組み合わせるのが最適な手段ではないでしょうか。
アイロンがけをきれいにこなせる術を身に付けておいても損はないでしょう。

アイロンがけについての以前の記事はこちらをどうぞ。

週末にまとめてアイロンがけをする時間を確保しておく、フォーマルなシーンや、デートの際に使えるアイロンがかかったハンカチをストックしておくなど、「心がけ」をしておくといざというときに安心ですね。

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