ポケットチーフのドレスコード

今回はドレスコードに関わるポケットチーフの在り方の紹介。
19世紀から20世紀にかけ英国でドレスコードが完成していきます。
モーニングコート着用(昼間)の第一礼装のときは白い絹製、テイルコート着用(夜間)の第一礼装のときは白い麻製のポケットチーフが相応しいそうです。
またビジネスシーンでのドレスコードはイタリアでは、白い麻製は昼間、夜は絹製のプリントのもの。絹製のプリントのものは昼でも相応しいとのことです。
胸元にちょっと気を配るだけでイメージが大きく変わります。
ネクタイの用に何枚かまとめて揃えてコーディネイトをお楽しみ下さい。
H TOKYOでもシルクのプリントものを中心にポケットチーフをご紹介していますので、ご覧下さい。
参考文献
「スーツの法則」中島渉 小学館
この本は服飾史のおさらいだけでなく、「アナン国連事務総長のポケットチーフはなぜ消えた?」など、有名人の服装から発せられる意味を読み解いていて読み応えのあるおもしろい本です。

ポケットチーフの起源

ポケットチーフの起源は、ハンカチと元は一緒と考えられるようです。
以前ハンカチのルーツで紹介しましたが、ローマ帝政時代に競技のはじまりを告げるために振られたり、顔を拭うためにつかわれており、ハンカチは儀礼的な意味合いや日常の用途としてのふたつの側面をもっていました。
装飾的に使われるようになったのは、中国で日除けとして使われていた麻布を、15世紀にフランスの船員が故郷に持ち帰り、エポレット(肩飾り)や左袖上に挿しこまれ、アクセサリーとして使われるようになったようです。
そのチーフが胸ポケットに挿されるようになったのは、実は1920年代。胸ポケットがジャケットに定着したころだそうです。今ではスーツやジャケットに当たり前に胸ポケットがついておりますが、その歴史は結構浅いのですね。
ちなみにその胸ポケットの登場自体も19世紀半ば、英国で生まれたチェスターフィールドコートから。そのコートに挿すのはポケットチーフではなくグローブ(手袋)に限られていたそうです。
なるほど何故か雑誌や町でアウターの胸ポケットに手袋をいれているのをみるのはそういう意味があったのですね。
ファッションの歴史をひもとくとおもしろいですね。
参考文献
「男の変身術」落合正勝 PHP研究所
「スーツの法則」中島渉 小学館

リネンに恋して-扱いについて

リネンについてあれこれとご紹介しています。
今回はリネンの扱いについて。
いくらよくできた素材とはいえ、完璧なものはありません。
注意点もお知りになり、より長くお付き合いください。
人間の付き合いと一緒なんですね・・・
ひとつは縮み。最初に水をとおすと5%ほど縮みます。着るものではないので、縮んでこまった!ということはあまりないですが。乾燥機は避けていただいたほうがよいようです。
もうひとつはしわ。しわがつくとなかなかとれません。服の方では、そのしわもひとつの味わいとみられますが、ハンカチはぱりっとしていたいもの。でもちょっとしたアイロンの心がけできれいに仕上がります。こつは半乾きの状態で中温でかけること。でもそんな器用なことができなければ(自分もできません)、スプレーでたっぷりと水気をもたせてください。アイロンは高温でも大丈夫ですが、中温のほうがよりよいです。
上手なお付き合いをして、パリッとしたリネンのハンカチを末永くお楽しみ下さい。

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