『ザ・マジックアワー』

『ザ・マジックアワー』 2008年作品
三谷幸喜監督
出演:佐藤浩市 妻夫木聡 西田敏行
三谷さんの作品はどれもはずれがなく面白いです。本、映画、舞台。
個人的には映画は『ラジオの時間』、本は『オンリー・ミー―私だけを』が好きです。
願わくば舞台をもっと見たいところですが。
映画はボスの女に手を出したクラブの支配人は、代償として伝説の殺し屋を探す羽目におちいり、売れない俳優を映画の仕事とだまして、周りのひとと協力しながらごまかしをしていき・・・というドタバタのコメディー。
ハンカチの登場シーンは、監督になりすました妻夫木が、映画の仕事と勘違いした売れない役者の佐藤浩市と本物のヤクザのボスである西田敏行に引き合わせる前に、部屋の前で待たされた控え室のシーン。
映画のシーンに合わせてドウランを塗ってきた役者に気付いた監督が慌ててスーツの胸ポケットからハンカチを取り出し、役者の化粧を落とそうとします。
その2。
雨が降っているところへ、ボスが部下と傘をさしホテルから出てきて俳優のマネージャーにつきまとわられるシーン。傘をもたないマネージャーはハンカチを頭の上に広げで、ちょっとした雨よけに使っています。ちょっとずれたひょうきんな感じのマネージャーのキャラクターと頭にのったハンカチが絶妙にあっています。かわいそうなマネージャーはこのすぐあとにボスを狙った銃撃の被害にあってしまうわけですが・・・、その運が悪く、ずれた感じをハンカチが演出しているのかもしれません。
ハンカチは今のところまだまだ映画の小物として現役で使われているようです。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』その1

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹 1985年
村上春樹の小説で最も好きな作品。彼の小説にはよくハンカチが出てくる。
本人がハンカチを使うかどうかは知らない。
おそらく小説の中にハンカチが登場するのは身近にハンカチという存在が、記憶の中で強くあるのか、現物として手元にあるのかわからないが、想起されやすいのではないかと推察する。
まぁ、どちらでもよいですが、ハンカチをもっていただけるひとが多ければ多いほどうれしいです。
この小説は「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」がパラレルに進んでいく。
ストーリーを説明するのは、それぞれが特殊な設定になっているので、割愛。
読んだことがある人は記憶をたどり、そんなシーンがあったのかと再認識し、
お読みでない人で興味のあるかたは手にとってください。
ハンカチの登場シーン「世界の終り」から:
「大佐はコーヒーからを全部飲んでしまうとカップを皿に戻し、ポケットからハンカチを出して口もとを拭った。大佐の着ている服と同じようにハンカチもよく使いこまれた古いものだったが、手入れは行きとどいていて清潔だった。」
清潔で大事につかわれているハンカチ。物のありかたはそのひととなりをあらわします。
大佐の性格、生きる姿勢を見事に表象したシーン。
自分もこうありたいです。
ちなみに…、IIDでは現在「世界の終り」という展覧会を行っています。
林勇気さんという映像作家で、この小説とは関係ありませんが、こちら大変面白いです。
ぜひどうぞ。

買い付け日記1

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買い付けの日記・・・というかいきなり食べ物。
まずは兵庫県西脇。西脇といえば播州ラーメン。
ちょっと甘めのスープ。シンプルなラーメンは西脇にくるとどうしても食べたくなります。
あまりいろいろ小難しく考えなくてもいいなぁ、とラーメンを食べながら考えるのでした。
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最初はちょっと甘いと感じるのがだんだんとやみつきになります。
なつかしい店構え、シンプルなメニュ。
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ふとしたつかの間のやすらぎを感じます。

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