『蘇える金狼』
村上透監督 1979年作品 松田優作主演
日中は真面目な大企業の一平社員。その一方裏では、麻薬、銃、女をつかい冷酷無比に企業を乗っ取ろうとする野心家。ストーリーは今にしてみれば少し荒唐無稽な部分がありますが、やはり松田優作がかっこいいです。
ハンカチはそこかしこに出てくるのですが、印象的なのは一つ目は企業のある部屋で重役にいきなり呼び出され彼らからボクシングをやっている自分の素性を晒されるとき。実はその情報をリークして仕掛けたのは自分自身だったわけですが、本人はその場で驚いた様子の演技をあわててハンカチで額の周りをぬぐうなど焦った様子をします。
真面目な社員を装う際の松田優作のかつらの風貌がすきです。
自分がのぞんだあらゆるものを手に入れて、海外で悠々自適に暮らすはずが・・・その秀逸なラストシーン。
そのシーンでもハンカチは登場します。
飛行機にのるために空港内を歩くシーン。松田優作は足下がふらつき、転びます。立ち上がる際にハンカチをとりだし、自分のスーツの汚れを振り払います。颯爽とした身のこなしが美しい。
この直後のラストシーン。こちらをみるだけでも価値があるかもしれません。
ちなみに探偵物語で刑事役でも出てくる成田三樹夫が、今回は会社の重役役で出てくる。あいかわらずの少しとぼけたずれた役回りがいい感じです。