「瀬戸内少年野球団」

引き続き小説、映画に出てくるハンカチの台詞やシーンのご紹介。
先週からお読みいただいた方は、ハンカチ大人度テストをひとつクリアできますね。正直ぜんぜんお披露目する機会がない役に立たない知識ですが…
「瀬戸内少年野球団」は篠田正浩監督。
出演 夏目雅子、郷ひろみ、渡辺謙、伊丹十三、島田伸助、大滝秀治
戦後の淡路島を舞台にした子供達やその周りの大人たち、またその生活風景が描かれた作品。エピソードがたくさんあって、少年の恋や友情、大人の恋愛沙汰、戦後の様子、ひとびとの職業などとても書ききれません。ひとそれぞれ感ずることろは違うと思いますが、引き出しの多いよい作品です。
さてハンカチの登場は、大滝秀治演ずる巡査が自転車で島をまわっているときに、伊丹十三演ずる提督がつりをしているところに声をかけるシーン。巡査が帽子をさっととり、ポケットから出したハンカチで頭のてっぺんをふくところ。
夏場の暑い中、帽子でむれた頭をふくのは、とても気持ちがよさそうです。
できるひとは限られていますが…
チンピラ演ずる島田伸介のポケットチーフも必見。ジャケットに挿されたポケットチーフは飛び出しすぎて下に頭をたれ、その情けなさも見所です。

「サンセット大通り」

昨日に引き続きハンカチが映画や小説の中に出てくるシーンや台詞の紹介です。
「サンセット大通り」ビリーワイルダー監督。
出演グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールデン。
かつての大女優の愛人として暮らす脚本家と、婚約者のいる映画関係の仕事をしている女性が、一緒に脚本を書き上げる作業をしているうちに心を通わせる。ふたりがもっとも近づくシーンで。
「いい匂いだな」
「新しいシャンプーよ」
「さわやかな香り、洗いたてのハンカチのようだ」
こんな台詞をいえたら素敵です。
洗い立てのハンカチに、リネンウォーターをひとふきし、パリッとアイロンをかけたハンカチをもつのって、本当にきもちよいですよ。
それにしてもグロリア・スワンソンのまさに鬼気迫る演技、ハリウッドの裏を物語に近いキャストを使って徹底的に描いたビリー・ワイルダー監督の手腕。一見の価値ある名作です。

「パン屋再襲撃」

ハンカチが映画や小説の中に出てくるシーンや台詞の紹介です。
短編集「パン屋再襲撃」村上春樹の中の一篇「ファミリー・アフェア」に出てくる一節。
「健全な考えだよ、と僕はハンカチで口を拭きながら思った。」
酒を飲みすぎて吐いてしまってから、妹の婚約者のことばを思い出すシーンで。
兄妹でずっとうまくいっていたのに、妹に婚約者があらわれ、妹との関係がぎくしゃくしてしまう。
兄妹の気持ちのつながり・信頼関係や、環境がかわることにより微妙な感情の変化やすれ違いがあらわされていてとても好きな作品。
食事どきに口を拭うのに、ハンカチがさっと出てくると上品ですね。

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