男はつらいよ・寅次郎相合い傘

ご存知正月映画の定番ですが、実は真面目に最後までみたのは初めて。
ロマンス座というIID(世田谷ものづくり学校)で月に一度行われている映画をとおして地域の高齢者と交流の場をもつ会での上映。
(実は私、この会の幹事をしています)
第7回にもなるこの回は、毎回映画だけでなく、交流会の企画をもって、高齢者と話す機会をもうけています。今回は映画に昭和のニュース映像をみて、話し合うということをしました。チクロという人工甘味料にまつわる食品の安全性の問題など、程度の差はあれ今と変わらないことを繰り返しているのだなぁと勉強になります。
さて「男はつらいよ・寅次郎相合い傘」山田洋次監督も最近のインタビューでもっとも気に入っている作品のひとつとしてあげられていたそうで、大変見ごたえがありました。
1975年作品、主演は渥美清、マドンナは浅丘ルリ子
もっとも感動したのは、やはりタイトルにも出てくる部分。
切り分けたメロンに自分の分がカウントされていなかったことで、怒って出て行ってしまう子供のような寅次郎。その晩雨が降り出し、帰りにリリー(浅岡ルリ子)が雨に濡れないか心配し、傘をもって駅前でまつ。改札には背中をむけ傘をさして立つ寅次郎。やさしさとそれを素直にあらわせない自分とがうまく描かれている。男のいろんな側面がこの場面に凝縮されていて、とても感動的なシーンでした。
さてさてこの映画ではハンカチがいろいろなシーンで登場し、生活に浸透し、舞台小物としても応用範囲のひろいものだと改めて認識しました。その中でも印象的だったハンカチの登場シーン。
1、冒頭の寅次郎の夢のシーン。寅次郎が海賊のキャプテンとなり、実の妹に何十年ぶりかに出会い感激するシーン。涙を拭おうとする寅次郎のハンカチは海賊のひらひらした衣装の袖の下からさっと出てきます。
2、旅先の旅館で窓際の壁によりかかり寝巻き姿で、額の汗を拭うシーン。腹巻の中からハンカチを取り出します。
ハンカチは隠しどころがいっぱいです。
そんなハンカチの登場も大事ですが、ここで伝えきれない映画の魅力がたくさんあります。是非ご鑑賞あれ。

万年青

newyearflower.jpeg

H TOKYOで使われるキーカラーの青。
「万年青」とは、「おもと」と読む正月など祝いの場につかわれる植物のことです。
葉が青々と長くもつことから万年青と呼ばれているそうです。
お正月の素材として初めていけたので、ちゃんとした決まりごとがあるので学びました。
・葉の枚数は奇数。
・実を覆うように実囲いの葉を用いる…雨や雪から実を守るように。
などなど。
こういった伝統や型を改めて知るというのもよいですね。
決まりごとを踏まえて、自由に活ける。
H TOKYOも新年迎えて、温故知新。
よくよく歴史や背景を知りながら新しいものを提案してきたいです。
万年青は華やかさはないですが、落ち着きのある華材ですね。
今年もどうぞ一年よろしくお願いします。

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