「ユーガットメール」

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「ユーガットメール」1998年
ニューヨークを舞台にした、本屋をそれぞれ経営する二人(トム・ハンクス、メグ・ライアン)が商売敵として敵対する一方、ネットでは知らずにメール友達で惹かれあって…という話しです。
トム・ハンクスの子供がくしゃみをしたときに、メグ・ライアンがハンカチを貸してあげるシーンがあります。
お母さんがしてくれた刺繍のイニシャルとマーガレット(正確にはデイジー)のハンカチを大事にしていることを話していました。
ハンカチをさっとさし出すところは、とてもかわいらしい印象的なシーンです。
何かあったときに女性にハンカチを差し出されると男心にぐっとくるものがあります。
アメリカ(ヨーロッパでも)ではハンカチは鼻をかむものとして使われているのですね。
ちなみに自分が一番好きな科白は、メグ・ライアンがトムハンクスの経営する本屋打倒に燃えてボクシングの真似をするシーンでモハメド・アリを形容することば。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」
(Float like a butterfly, sting like a bee)
全く関係ありませんが…

ハンカチはなぜ四角なのか?

「ハンカチはなぜ四角なのですか?」
ある卒業制作でハンカチを題材にする学生さんから問い合わせありました。
私も考えたこともなかったのですがとりあえず「生産上都合がよいからでないでしょうか」と一度お答えしたのですが、歴史をひもとくとおもしろいことがわかります。
18世紀末のフランスでは、実際長方形や円形などのハンカチも存在したようです。
これに対し、マリー・アントワネットがルイ16世に進言し
「わが国のハンカチはすべて正方形にすべし」という法令を1785年6月2日に出しました。
ファッションリーダーであったマリー・アントワネットは自分以外の人間が華美に競い合っていくのを快く思っていなかったのでしょうか。それとも単に四角が使いやすいからと余計なおせっかいなのか、事実はわかりません。
ハンカチの形を法令で出してしまうなんて、おもしろいですよね。
お酒の席での小噺にでもお使い下さい…
ちなみに彼女の誕生日である11月2日に近い祝日11月3日が現在ハンカチの日となっています。

ポケットチーフのドレスコード

今回はドレスコードに関わるポケットチーフの在り方の紹介。
19世紀から20世紀にかけ英国でドレスコードが完成していきます。
モーニングコート着用(昼間)の第一礼装のときは白い絹製、テイルコート着用(夜間)の第一礼装のときは白い麻製のポケットチーフが相応しいそうです。
またビジネスシーンでのドレスコードはイタリアでは、白い麻製は昼間、夜は絹製のプリントのもの。絹製のプリントのものは昼でも相応しいとのことです。
胸元にちょっと気を配るだけでイメージが大きく変わります。
ネクタイの用に何枚かまとめて揃えてコーディネイトをお楽しみ下さい。
H TOKYOでもシルクのプリントものを中心にポケットチーフをご紹介していますので、ご覧下さい。
参考文献
「スーツの法則」中島渉 小学館
この本は服飾史のおさらいだけでなく、「アナン国連事務総長のポケットチーフはなぜ消えた?」など、有名人の服装から発せられる意味を読み解いていて読み応えのあるおもしろい本です。

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