異動、送別が多い季節になりました。

ちょっとしたお礼や感謝の気持ちを伝えるのにハンカチはたいへん重宝するアイテムです。

日本の文化では、言葉の読みの音や使用シーンの印象から、ものごとを縁起の良し悪しに結びつけることが多いようです。
ハンカチは、年配の方に伺うと、以前は華やかな柄物などがなく、白しかなかったとも聞きます。葬儀での涙、見送りの旗がわりなど、別れを象徴するイメージにつながったのかもしれません。
そんな背景から、ハンカチを贈ることは日本では「別れ」を意味するといわれることがあります。

またハンカチは漢字で「手巾」と書かれ、手を拭くための布切れ、手ぬぐいやハンカチを意味しました。この文字が「てぎれ」とも読めるので、ハンカチを渡すことに深い意味をあてがわれたのでしょうか。
現在、ハンカチを「手巾」と書くことはほとんどありませんし、ハンカチをもらったことに対する裏の意味合いを考えることも、現実的にはあまりないと感じます。

国によっても風習が異なります。
中国では「送巾離根」と言い、ハンカチを差し上げることは関係を断つことを意味します。ご年配の方には良く思われないことがあるようです。
一方で、若い方には日本で出回っているプリントなどの華やかなハンカチは新鮮に映り、ファッションアイテムのように人気があります。ギフトにも使われているようです。

日本の年配の方でも、全く気にしていないという感じを多くお見受けします。
もちろん厳格にいわれなどこだわる方がいたり、そういったご家庭などの環境であれば、事前に確認をとるのがよいでしょう。
贈る立場としても、色を選択する際に白を避けたり、刺繍をいれて工夫したり、またはお手紙をつけたりして気持ちを伝えれば、不用意に誤解を受けることはないはずです。

結婚の記念に白のリネンのレースを差し上げたい、とご相談もあります。
装飾的なレースがついていることからも、気にしなくともよいものと思います。
相談できる間柄でしたら、聞いてみるなり、一言添えてお渡しすれば問題ありません。

欧米では「HAPPY TEARS」という慣習があります。
「花嫁が涙を流す最後のハンカチに」という意味で、式の参列者にハンカチを配ったりすることもあるようです。
うれし涙を共に拭うという前向きなイベント事になっているのは素敵です。

結婚式だと、日本でも式の席札にも使われることが出てきました。そのまま日常に持ち帰られるアイテムとして、人気が高いです。

昔はお祝いの品として包丁を贈ることも、縁起が悪いといわれていました。
「切る」という行為が、縁を切るという忌み言葉として捉えられたのでしょう。ですが最近では、日本では古来より慶事に刀剣を贈る風習があり、運や未来を切り開くものとして見直されてきています。

ハンカチの色も白よりカラフルなものが主流になってきました。

時代とともにマナーも変わってきます。自分なりの想いや創意工夫、気遣いがあれば、あなたから届けられるハンカチと共に幸せや喜びを感じとってもらえるのではないでしょうか。