花粉に頭を悩ませることが多い時期がやってきました。
とめどなく流れ落ちる鼻水にティッシュが手離せないこともあるでしょう。
14世紀末、イングランド王のリチャード2世は「鼻水を床に落としたり、袖で拭くのはみっともない。ハンカチを使用することは紳士的行為であり、社会的な地位の表れである」といったそうです。
古いヨーロッパやハリウッドの映画では、ポケットチーフを胸元から取り出して、洟をかんだりするシーンを見かけます。
ポケットチーフはもともとハンカチから派生したものです。
装飾的な意味合いが強まり、居場所にジャケットの胸ポケットを与えられ、その役割をハンカチと分かちました。その頃には見せるためのハンカチ(ポケットチーフ)、そして実用としてのハンカチを2枚持つことが紳士のたしなみとされていました。
その後、1924年アメリカでクリネックスティッシュが発明され、それが世間に広く流通するにつれて、ハンカチで洟をかむという行為は一般的には少なくなってきました。
さて、外出している際に、流れ落ちる鼻水を延々とティッシュでかみ続け、それをポケットにつめこんでふくらませるのもみっともないでしょう。
そして手持ちのティッシュをきらして焦ることも。
そうした際は、元々その役割を担っていたハンカチを緊急で役立てるのも手です。
洟をかむまでせずとも、ぬぐったり、押さえたりすることもできます。
肌触りのよい薄手の上質な生地のハンカチをもっていれば、肌への刺激も気にならないはずです。
リネンウォーターを使用して、お気に入りの香りをプラスしておくと、花粉によるいらいらの気持ちをリフレッシュすることでできるかもしれません。
この時期は、通常使用するもの・緊急時に使用するものと、ハンカチを役割で分けて2枚持ち歩くのが、大人として賢明といえそうです。