ハンカチ百科 No.17 ハンカチにアイロンをかけずにごまかす方法


アイロンをかけなくても、ごまかせるようにするにはどうしたら良いかを考えてみます。ハンカチの選び方や、洗濯方法についてもご案内します。

家事の中で最も苦手なものに、アイロンがけを挙げる人も多いそうです。
アイロン台を取り出し設置し、アイロンを電源につなぎ、十分な熱を帯びるまで一呼吸待ち、重量のあるアイロンを持ち上げ、対象にアイロンを圧し当てていく。
夏には部屋の蒸し暑さがいっそう増します。

こういった一連の流れや環境が、心理的・肉体的な負担の大きい重労働と感じさせるのでしょうか。

百貨店のハンカチ売り場もそうした世情を反映してか、年々布地のハンカチ売場を縮小し、タオルがその専有面積を広げています。

特にハンカチは、ワイシャツのように気軽にクリーニングに出すことは考えにくいため、アイロンをかけるか、かけないで済ますかが大きな選択肢になってきます。

人目に触れぬことが多いハンカチも、ふとした時に目についてしまうこともあると言うことを忘れてはいけません。
そうしたときに折り目正しくアイロンがかけられたハンカチか、しわしわのよれたハンカチかで見る人の心証が大きく異なるでしょう。

そうとはいえ現代の忙しいわたくしたちが、すべてを理想通りに行うことはたやすくない。
できるだけ、アイロンなしで済ませるにはどうしたらよいでしょうか。

まず、ハンカチの選び方について。
素材でいえば、麻は吸水速乾性に優れるが、シワがつきやすいものです。
綿100%を選んだ方がよいでしょう。

最近は天然生の綿100%で形態安定などシワがつきにくい加工をうたったものもあります。
そういったものを選ぶのも目安です。

形態安定の基準にはW&W性(ウォッシュ&ウエア性)試験が使われます。
洗濯を5回し、タンブル乾燥をかけた後のシワの残り具合で判定します。
W&W性5.0級をアイロンがけ後のシワのない状態とし、これをシワカット率100%としています。
形態安定加工といわれるものは、3.2級以上でシワカット率50%以上です。
なお4.0級以上は、シワカット率90%以上となります。

下記画像は4級 (90%以上の結果)のもの。

▲左:アイロンをかけたもの。 右:洗濯を5回し、タンブル乾燥をかけたあとのもの。

形態安定でなくても、シワがつきにくいハンカチの見抜きかたとしては、糸がしっかり入って詰まっているかどうか。
経糸と緯糸の打ち込み本数が多いほどシワになりにくいと思います。
生地がすかすかしていないか、軽すぎず、にぎってハンカチにコシがあるかが判断基準になります。

もう一つ別の方向性としては、ダブルガーゼを選ぶという選択肢もあります。
目の粗いガーゼ生地が2枚重なったもので、ハンカチとタオルの中間に位置するような存在で、アイロンがかかっていなくてもタオルっぽいのでそれほど違和感がないということです。
ただしどうしてもカジュアルに寄ってしまい、ポケットにしまうとそれなりにボリューム感が出てしまうことに留意しましょう。

次に、シワを防ぐための洗濯の際の注意点です。
洗濯機の中には、絡みやすいものを一緒にいれないように注意し、可能であればネットに入れましょう。
乾燥機を使えるならば、乾燥機を使った方が吊り干しよりシワがつきにくいようです。
吊り干しの場合は一度ハンカチを上下にふって、さらに形を整えてから干しましょう。


▲4つの条件でそれぞれ洗濯したもの。

洗濯実験からも、ネットに入れたものの方がしわは少なく、乾燥機までかけるとより、しわは気になりにくくなることがわかります。

最後にしまうときは、上下左右に引っぱり形を整えながら、手の温もりでシワを伸ばしながら畳んでいきましょう。

いかがでしたでしょうか。

アイロンがけをせずにごまかす方法を紹介してきましたが、やはりアイロンがかかったハンカチは美しいものです。
ここまで紹介したことと、正攻法でアイロンがけすることを、上手に組み合わせるのが最適な手段ではないでしょうか。
アイロンがけをきれいにこなせる術を身に付けておいても損はないでしょう。

アイロンがけについての以前の記事はこちらをどうぞ。

週末にまとめてアイロンがけをする時間を確保しておく、フォーマルなシーンや、デートの際に使えるアイロンがかかったハンカチをストックしておくなど、「心がけ」をしておくといざというときに安心ですね。

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アイロン掛けしなくても気にならないスマートハンカチーフ

ダブルガーゼ

アイロンがかかっていてもかかっていなくてもしわしわのハンカチ(加賀美さんのしわしわハンカチ)

布製マスクのアイロンのかけ方(動画付き)

ハンカチのアイロンのかけかたの詳細のご案内に続き、ハンカチ百科の番外編として、最近ご利用する方も多い布製マスクのアイロンのかけ方を丁寧に紹介します。

最近は不織布のマスク以外に、手作りや市販の布製のマスクを見かけることが大変多くなりました。
布製のマスクは肌あたりもよく繰り返し洗濯して利用できることから人気も高いようです。

手洗いなどをして乾かしたものをそのまま着用しても良いですが、ワイシャツと同様に、アイロンをかけたパリッとシワのないマスクは、清潔で爽やかなイメージもあり、着用する方もすがすがしく気持ちが良いはずです。

ただしあまりかけたことのないマスクに、いざアイロンをかけようとすると戸惑うこともあるでしょう。
そんなマスクにアイロンをかける際の注意点や、きれいに仕上げるこつについて紹介します。
最初にプリーツマスクと、続いて立体マスクをご説明します。

アイロンの設定温度は、素材に合わせましょう。
綿の素材が多いようですが、最近は機能性のある化学繊維の生地を使用したものなどもたくさん出ています。
購入した際のパッケージやサイトなどで間違いのないよう確認をします。

マスクのしわが目立つようだったり、ぱりっと仕上げたい際は霧吹きを使用し、アイロンが温まるのを待つあいだに吹きかけておきます。

マスクはアイロンをかける面積が小さく、ゴムにもアイロンが当たりそうになります。
ナイロン・ポリウレタン素材のゴムは、高温のアイロンが当たらないようにハンカチなどで当て布をするのがおすすめです。

プリーツマスクは、裏側からかけていきます。プリーツがまっすぐになるように、しっかり引っ張りながらかけましょう。
表側はプリーツのひだを一枚ずつ、しわが寄らないようにしっかり引っぱりながら、上下からかけて、最後に中央部分を仕上げましょう。

立体タイプのマスクは、裏側から片面ずつかけて、外側を同様に片面ずつかけて仕上げます。
プリーツがない分、早くできます。

上手にできましたか?
最初は慣れなくても何度か繰り返せば、少しずつ早くきれいにできます。

ぱりっとしたマスクを身につけて、一日を気持ちよく過ごしましょう。

オリジナルの布マスクの新作も店頭・オンラインストアに入荷しております。

アイロン動画シリーズ
ハンカチ百科 NO.16 どこよりも詳しいハンカチのアイロンのかけ方 も合わせてご覧ください。

 

>>ハンカチ百科記事一覧はこちら

ハンカチ百科 NO.16 どこよりも詳しいハンカチのアイロンのかけ方(動画付き)

以前もきれいにアイロンをかける方法をハンカチ百科NO.8でご案内しましたが、
さらに詳しく動画も用意して、ご家庭で簡単で手早くきれいにできるハンカチのアイロンのかけかたをご紹介します。

アイロンの電源を入れ、ハンカチの素材に合わせた温度に設定します。
一般的な綿や麻の素材については高温(180〜210℃)にします。

アイロンが温まるのを待つ間に、1枚ずつ霧を吹きかけて生地に水分が浸透する用になじませておきましょう。
お気に入りのリネンウォーターを使用すると、香りに包まれて気持ちよいです。

まとめて何枚かアイロンがけするときには、霧吹きをかけながら、ハンカチの向きを揃えて、重ねておくとスムーズにかけられます。
生地は、縦横に引っ張り、伸びにくい経糸(たていと)方向がどちらか確認し、そちらを天地にします。

ハンカチを広げた状態でかけられるアイロン台は家庭用だと多くありません。
そこでアイロン台の上で効率的にハンカチにアイロンをかける方法をご案内します。

ハンカチを横向きにして半分に折ります。
このとき角が合わないときは、一旦広げて、対角線上に角をもち、両角をそれぞれ引っぱり揃えましょう。

アイロンが適正温度になったら、ハンカチの角を合わせてから、反対の手で引っぱりつつ、伸びにくい経糸の辺を反対の角まで仕上げます。
そのまま緯糸(よこいと)の辺を仕上げ、中央を進み、もう一辺の緯糸(よこいと)を仕上げて、最後に下辺をプレスします。

裏面も、下辺になる縫製の経糸をスタートに同じ流れでアイロンをかけます。

表面に戻して横に折り、縦に折り、もう一度横に折ります。

仕上げに畳んだ状態でプレスして完成です。
最後のプレスの際に裏の生地が見えないように角を引っぱりながら整えるのが、上品なたたずまいできれいに仕上げるこつです。

いかがでしたか?
単にハンカチにアイロンをかけるのにもこつを知り、手順を決めれば、気持ちよくきれいな仕上がりに満足できます。
苦手な方も多いアイロンがけも前向きにできるのではないでしょうか。

 

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